izumi_ishii

  • 荒木 勝のアリストテレス『霊魂論』講義 6-2

     従って、霊魂が実有<ウーシアー>という意味での原因であることは明らかなことである。事実、実有とは、すべてのものにとって、存在していること<ト・エイナイ>(注6)の原因であり(注7)、生命<ゼーン>とは、生命体にとって、 […]

  • 荒木 勝のアリストテレス『霊魂論』講義 6-1

       アリストテレスの通常のかたちでの翻訳というのはおそらく不可能に近い。これまでわたしたちが読んできたアリストテレスの日本語訳というのは、もっとも肝心のところでミスをしているのではないかと思えるほど、恐るべき […]

  • 荒木 勝のアリストテレス『霊魂論』講義 5-3

     で、この実有とは。(注33)    では、ウーシアー(実有)は、①本有<ト・ティ・エーン・エイナイ>=従来、本質と訳されてきたもの、②普遍的なもの、③類的なもの、④基体<ヒポケイメノン>の一部か、それらの総合されたもの […]

  • 荒木 勝のアリストテレス『霊魂論』講義 5-2

         では、冒頭の部分でかなり時間を取ってしまいましたが、続けて。    従って、我々は、考察の出発点を定め、霊魂の有るものと霊魂を持たないものとを、「生きている」(注2)という点において区別することから始 […]

  • 荒木 勝のアリストテレス『霊魂論』講義 5-1

       どこまで理解していただけたかはともかく、第2巻第1章のところは講義を終えたことにして、第2章に入りたいと思います。この冒頭部分の数行も、難しい問題が噴出していますが、話を進めたい。  それでは、    さて、朦朧と […]

  • 荒木 勝のアリストテレス『霊魂論』講義 4-3

       では次にいきましょう。  しかし何よりも実有<ウーシアー>であるとおもわれているのは、物体<ソーマ>である。そしてそれらの内でも自然本性的なもの<フュシコン>がそうである。なぜなら、それら自然本性的なものが、他のも […]

  • 荒木 勝のアリストテレス『霊魂論』講義 4-2

       芸術の世界で言うと、ミケランジェロの「ピエタ」の最後の像を見たときに、非常に造形的には不完全、しかし–––。 [ Mt ] それはミラノの?  そう。造形的には不完全だけれどそこに彼はなにかあるものを表現 […]

  • 荒木 勝のアリストテレス『霊魂論』講義4-1

       本日はまず、現代人が直面している2つの問題を提起することから始めたい。  1つは、『風の谷のナウシカ』(以下「ナウシカ」)のことから。少し前に、「東北学」で知られる赤坂憲雄氏の「ナウシカ」をテーマにした講 […]

  • 荒木 勝のアリストテレス『霊魂論』講義 3-3

       では、次に進みましょう。    さて、霊魂の諸々の受容態(パトス・感受の複数)においても難問が存在する。すなわち、それらはすべて霊魂を持つものに共通のものか、それとも霊魂に固有の受容態なのか、という問題である。実際 […]

  • 荒木 勝のアリストテレス『霊魂論』講義 3-2

    6. さらに、多くの霊魂があるというのではなく、霊魂に多くの部分があるということがあれば、先に探求すべきは、霊魂の全体であるのか、それともその部分であるのかが、問題となるであろう。    霊魂に多くの部分があるという場合 […]