設立趣意
個人および社会全体から、感じる力、考える力が奪われつつある現代において、人が「善く生きる」ための哲学を探り、人の「幸福」へ向けた希望の再生を試みる。それは、個人がアイデンティティを求めてさまよい、家族が崩壊し、国家がその新しい再編の方向を模索する現代、感性、知性の現在と未来のあるべき形態(機能)を描きながら、各自がその生き方において、幸福を実践することでもある。
しかし、幸福のあり方は多様であり、また、個と集団、現在と過去の関連ぬきに、幸福を論じることはできない。「古典」作品をはじめとする人類の知的・美的遺産のなかに範を求め、同時にいま現在の日本、そして国際社会の諸問題を視野に置きながら、多様性・多元性のなかに「人類」に共通・普遍の価値観を探ること。それは国家とは何か、家族とは何か、企業とは何かを問いつつ、真にフェアで豊かな社会づくりのための生きた知恵を、グローバルとローカル、全体と部分、情と智をつなぐ調和のかたちとして探ることでもある。
本会は思想・信条を問わず、本会の主旨に賛同するすべての人々に開かれている。
会員・組織
名称 | アリストテレスと現代研究会(通称:アリ研) |
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座長 | 荒木 勝(1949年愛知県生まれ。ポーランド留学などを経て、現在、岡山大学理事・副学長。専門分野は西洋政治史。ヨーロッパの中世年代記研究、アリストテレス『政治学』などを主たる研究領域とする。) |
運営委員長 | 伊藤直人 |
事務局 | 秋山和平/石井 泉 |
会員資格 | 年齢、性別、職業等を問わず、本会趣旨への賛同と各自の自由意思に基づくものとする。入会は現会員からの推薦および座長、運営委員長の承認を条件とし、運営費用として年会費10,000円を事務局に振込むことで会員として登録される(毎年6月を更新の時期とする)。 |
基本的研究・活動の方向性
アリストテレスのテクスト、とくに『政治学』『ニコマコス倫理学』読解を軸に、現代に通じるアリストテレスの概念・思想をひとつの規準として検討する。
直接・間接を問わず、関連する多様なテーマにそって、会員各自のフィールド(「仕事」「生活」「趣味」の場)での経験・知識を「野」に持ち寄り、情報交換・議論・相互啓発を行う。会員間の情報交換・議論は、勉強会などの交流の場、およびメール(ML)などを通じて行う。
Web、印刷物(出版物)などのメディアにより、本研究会の活動状況、「成果」を記録・蓄積・編集し、機に応じて社会へ発信する。さらに、関連する人、活動、プロジェクト等との「志」のネットワークを形成し、「固定と流動」「本道と脇道」の柔軟な貫入・振幅によって、本会の理念の深化と発展的持続を図る。