ウェブ版『グーテンベルクの塩竈焼き』編集後記

グーテンベルクの塩竈焼き』はご覧いただけましたでしょうか。
本サイト(カフェ・ヌース)編集・運営者として、ひとこと「解説」をしておきたいと思います。


配島庸二さんと山下敦子さんご夫妻によるこのアートイベントの記事は、石田財団発行の広報誌『Ars』2号(発行日2007年8月31日)に掲載された同タイトルの記事が元になっています。私が企画・編集を担当しましたが、本誌発行後にたいへんに興味深いことが起こったという報告を配島さんご本人から受け、その「後日談」をお聞きし写真を拝見したところ、本誌読者をはじめ、本誌をご存知ない方々にも、ぜひそのことを伝えたい、見てもらいたいという思いで配島さんとも意見が一致し、ここにアップする次第になったわけです。

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 ▲ 亀甲館での撮影風景

 Ars誌と同じ写真は極力使用を避けてはおりますが、石田財団はじめ、写真家の小林洋治さん、デザインの武眞理子さん、そして現場でのセッティング等に気持ちよくお手伝いいただいた各スタッフの面々に、配島ご夫妻ともども感謝の意を表しておきたいと思います。
取材撮影時のサウンド・ウェアとしてBGMにマイルス・デイビスの『ビッチェズ・ブリュー』をかけました。これは、『グーテンベルクの銀河系』の著者M.マクルーハンへ手向けた捧げ物(オマージュ)でもありました。活字からエレクトロニクス・メディア時代への移行・変化を、視覚から聴覚優位文化への「先祖返り」として捉えたこの本への、ひとつの解釈・返礼でもありました。つまり60年代後半から70年代にかけて起こった電気→原始→呪術への文化的傾向が、現在の電子=インターネット社会へと薄まったかたちとはいえ、さらに広く浸潤しているとも思えるからです。
理屈はともあれ、亀甲館スタジオ(アトリエ)にこのマイルスのエレクトリック(エレキ+トリック?)・ジャズの最高傑作(と私は思う)が響き渡ったとき、「炭書」の数々とスタジオ全体が、しびれるようなカッコよさを音の衣(ウェア)として纏ったことはいうまでもありません。
配島さんから「大袈裟だよ」と失笑をかいそうですが、前代未聞、驚天動地のこのアートと食のプロジェクト、さらに新しい展開を構想・模索中です。忌憚のないご批評、ご意見、そしてご助力を賜われれば幸いです。
なお、当『グーテンベルクの塩竈焼き』に連動した「炭書」の作品展が、12月中旬ころから、先にこの場でも紹介した「馬喰町ART+EAT」で開催される予定です。
後日、また改めてご案内いたしますが、興味と関心をもたれた方は、ぜひ馬喰町へ足を運び「実物」をご覧になってみてください。


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