わたくし的AIRな80日間6

茶会じかけの”クローンド・ヴィーナス”キーワードは『予兆そして破壊と再生』

「予兆そして破壊と再生」と名付けた『割れ茶会』のパフォーマンス(2)

― キーワードは”汝、如何に割れているか! ―
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 そんな私のこだわりからすると、あの東山将軍の書院の茶にしても、また珠光にしても利休や遠州など名立たる茶人たちのコンセプトはまず茶室のデザインに、そして道具類の好みに負うところが少なくないと思えるのです。中には一国と引き換えるような高価のものまであったそうですが、私のこのパフォーマンスでは、それが唐物であろうと、名物のナントカの壷であろうと、また反対にどんなに安価などんぶり鉢であろうと、何はともあれ、そのモノに向かって先ず”汝、如何に割れているか!”と問いかけることから始まるのです。つまり侘び茶ではなく”割れ茶”とよぶ所以です。

 次にこれらの茶会のメモを記します。

配島庸二・茶会「予兆そして破壊と再生」
第一回 2005年7月3日
ACACギャラリーBに於いて
  • ギャラリーの床に「妙喜庵待庵」「四畳半茶室」の平面略図を図取り
  • 茶碗=高麗三島手・李方子作、金継ぎによる再生
  • 茶器=メキシコの薬壷
  • 水差し=時代塩壷「亀卜」金継ぎ
  • 掛け物=林檎の枝の炭を素材にしたオブジェ『非線形に』菊池仙陽作
    (炭の制作は炭工房”勘”岩谷義弘)
  • 花生け・古墳時代土師器に呼び継ぎ
  • 菓子器・九谷焼鴛鴦文鉢 金継ぎによる再生
  • 水=青森の天然水「ブナの雫」青森市提供
  • 茶「又玄」
  • 菓子・上用饅頭「福貴の森」敦子調製
    注)「福貴の森」雲谷の森のフキの砂糖煮をあしらって

以上

配島庸二・茶会「予兆そして破壊と再生」
第二回 2005年7月10日13時
ACACギャラリーBに於いて
  • ギャラリーの床に「妙喜庵待庵」「四畳半茶室」の平面略図を図取り
  • 茶碗=雲鶴青磁 金継ぎによる再生
  • 茶器=メキシコの薬壷
  • 水差し=時代塩壷「亀卜」金継ぎ
  • 掛け物=林檎の枝の炭を素材にしたオブジェ『非線形に』菊池仙陽作
    (炭の制作は炭工房”勘”岩谷義弘)
  • オブジェ『ブリコラージュ』セビリーヌ・ユバール作
  • 菓子皿・犬山焼雲錦手小皿、金継ぎによる再生
  • 水=青森の天然水「ブナの雫」青森市提供
  • 茶「又玄」
  • 菓子・そば饅頭「韃靼」敦子調製
    注)「韃靼」頭に北海道産のそば”韃靼”の煎った粒をあしらって

以上

配島庸二・茶会「予兆そして破壊と再生」
2005年7月12日/新倉美佳さん夫妻を迎えて
ACACギャラリーBに於いて
  • ギャラリーの床に「妙喜庵待庵」「四畳半茶室」の平面略図を図取り
  • 茶碗=高麗三島手・李方子作、金継ぎによる再生
  • 茶器=メキシコの薬壷
  • 水差し=時代塩壷「亀卜」
  • 掛け物=林檎の枝の炭を素材にしたオブジェ『非線形に』菊池仙陽作
    (炭の制作は炭工房”勘”岩谷義弘)
  • オブジェ『ブリコラージュ』セビリーヌ・ユバール作
  • 菓子皿・犬山焼雲錦手小皿ほか、いずれも金継ぎによる再生
  • 水=青森の天然水「ブナの雫」青森市提供
  • 茶「又玄」
  • 菓子・そば饅頭/敦子調製
    注)「そば饅頭」雲谷産のそば粉で

以上

配島庸二・「予兆そして破壊と再生」の茶会
第三回「梅の便り」2005年7月16日
ACACギャラリーBに於いて
  • ギャラリーの床に「妙喜庵待庵」「四畳半茶室」の平面略図を図取り
  • 茶碗=京焼「源氏車」木村山花作 金継ぎによる再生
  • 茶器=メキシコの薬壷
  • 水差し=時代塩壷「亀卜」金継ぎ
  • 掛け物=林檎の枝の炭を素材にしたオブジェ『非線形に』菊池仙陽作
    (炭の制作は炭工房”勘”岩谷義弘)
  • 床飾り=白い皿のオブジェ「J.K」配島庸二/金沢健一共作
  • 菓子皿・有田古窯址発掘の陶片ほか、いずれも金継ぎによる再生
  • 水=青森の天然水「ブナの雫」青森市提供
  • 茶「又玄」
  • 菓子=「梅の便り」
    注)橿尾さんから到来の熟し梅の甘露煮と深浦のテングサで

以上

配島庸二・「予兆そして破壊と再生」の茶会
第四回「雲谷の森」2005年7月24日
ACACギャラリーBに於いて
  • ギャラリーの床に「妙喜庵待庵」「四畳半茶室」の平面略図を図取り
  • 茶碗=高麗青磁鳳凰文筋彫り、金継ぎによる再生
  • 茶器=メキシコの薬壷
  • 水差し=時代塩壷「亀卜」金継ぎ
  • 掛け物=林檎の枝の炭を素材にしたオブジェ『非線形に』菊池仙陽作
    (炭の制作は炭工房”勘”岩谷義弘)
  • 床飾り=『炭書』グーテンベルグ期の終末に/配島庸二作
    (炭の制作は炭工房”勘”岩谷義弘)
  • 菓子皿・竜泉窯青磁小皿ほか、金繕いによる再生
  • 水=青森の天然水「ブナの雫」青森市提供
  • 茶「又玄」
  • 菓子=生菓子「雲谷の森」/敦子調製
    注)「雲谷の森」別調製の羊羹を細切りにして森の樹々に見立てた流しもの

以上

配島庸二・茶会「予兆そして破壊と再生」
2005年7月28日/伊藤直人さんご夫妻を迎えて野点
ACAC/シム・ムンセプ(韓国)作『PRESENTATION』の庭で
  • 茶碗=高麗三島手・李方子作、金継ぎによる再生
  • 茶器=メキシコの薬壷
  • 水差し=時代塩壷「亀卜」金継ぎ
  • 床飾り=『炭書』グーテンベルグ期の終末に/配島庸二作
    (炭の制作は炭工房”勘”岩谷義弘)
  • 菓子皿・犬山焼雲錦手小皿ほか、いずれも金継ぎによる再生
  • 水=青森の天然水「ブナの雫」青森市提供
  • 茶「又玄」
  • 菓子=土用餅/敦子調製

以上

 そうした仕掛けを全うさせるために、後述のように、さらに幾つかの用途を持った作品、例えば茶を飲むためのテーブルとか、座布団、銘々盆などという”用途を持った作品”を生み出すことになって、平面作品にこだわって来た私の方法に新たな地平を開くことになりました。


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