オーストラリアの写真、といえばこの人! 相原正明さんから写真展の案内が届きましたので紹介します。
写真展は「Spirit オーストラリア植物物語」と題するもので、この10年間にわたり撮影されたオーストラリアの植物たちのポートレイト集とのこと。しかし、植物図鑑的な、つまり「説明的」な展示ではなく、小さなコケからユーカリの巨木まで、物言わぬ植物たちが大型パノラマ写真を含めて約60点展示されるようです。
「物言わぬ植物」とは相原さんからのメールにあった言い方ですが、植物図鑑的に分類したり、名前を付けていない植物ということなのでしょう。人が名付ける種や属の名前を剥ぎ取られモノに還元された植物たち——。「頭」で理解するよりも、「心の眼」で感じてほしいとの思いをこめて相原さんはシャッターをきり、展示の構成を考えたのでしょうが、名のないモノだからこそ逆に植物たちは別の何かを語りかけてくる。「Spirit」というタイトルは、そのことを見事に示している。
それが何かを知る前の「最初の出会い」の瞬間をこそ、相原さんは大切にしているように思います。彼の写真から、大自然の雄大さばかりではなく、原初の瑞々しい輝きといったものが伝わってくるのはそれゆえに違いありません。ハガキによる案内状を受け取ったとき、そこに印刷された写真とSpiritという文字を見て、静かな感動とともに、そんなことを感じました。相原さんの写真からは、写真というもののスピリットが風のように、見る者に向かって吹いてきます。
相原正明写真展「Spirit オーストラリアの植物物語」は、日本全国の富士フィルムフォトサロンにて開催されます。皮切りの東京展は10月16日から。詳細は相原さんのブログ、ならびに富士フィルム・富士フォトサロンのHPをご覧ください。
「Spirit オーストラリア植物物語」の案内状
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