[Fragile]フラジャイルな炭書/フラジャイルな日常

蓜島庸二個展グーテンベルク炭書
蓜島庸二個展 のご案内

[展示期間]2008年11月10日〜22日
[営業時間]12時〜6時(最終日4時p.m.)
[オープニングパーティ]11月10日(月)
    4時p.m.より
[ギャラリートーク]11月16日(日)
    2時p.m.より
[場所] ギャラリー 水・土・木
    東京都練馬区小竹町1−44−1
[電話]03−3955−2508
[URL]http://www006.upp.so-net.ne.jp/sachi-ko/

 本を炭に焼くというこのスキャンダラスなプロジェクトは、名付けて『グーテンベルク炭書』。今回はその4回目の発表になるが、それにしてもこの炭書は、もともとが一枚の紙だから、そのまま炭に焼いてもなかなか木炭そのもののような堅固な形を得るのが困難で、しかし試行錯誤の末、今ではかなり安定した形を得られるようになった。

 とはいえ、それはブロンズ彫刻のような強さが得られるというわけではなく”本の姿焼き” といった程度のものだから、ちょっとした衝撃にもぽろぽろと崩れていく。そのフラジャイルなさまは、今や私には、このグーテンベルク文明そのものの姿に思えて・・・、

 そういう思いの中で開かれる今回の個展。

 この水・土・木(みず・と・き)ギャラリーは、東京西北部に古くから開けた有数な住宅街のまんなかにあって、そのせいか世に言う美術空間のホワイトキューブとはほど遠く、白い格子の出窓なぞしつらえてあって、どこか小市民的日常感覚の漂う空間だ。そういう中にこのスキャンダラスな、いかにもフラジャイルな炭書を持ち込むことを想像したとき、

 いま、わたしたちの日常が、さまざまな日常が壊れようとしている? といった不安が・・・。

炭書の風景1 炭書の風景2 炭書の風景3
zoomもっとも日常的なアイロン台の上でフラジャイルな炭書の風景

Yoji Haijima Exhibition
Gutenberg Charcoal Books
Theme: [Fragile] Fragile Charcoal Books/Fragile Everyday Lives

This scandalous project, which consists of charring books, is entitled “Gutenberg Charcoal Books.” The present exhibition is its fourth installment, but since the books start out as sheets of paper, it is far from easy to carbonize them into forms as solid as actual charcoal. It is only after much trial and error that I can now obtain a fairly stable form.

All the same, the resulting strength is not that of a bronze sculpture; it is no more than that of a book “grilled whole,” so to speak. The forms crumble at the slightest shock. To me, this fragility has come to represent our Gutenbergian civilization itself….

Amid such concerns, I have prepared this exhibition.

As it happens, Gallery Mizu-to-ki is located in the middle of one of the oldest residential areas of northwestern Tokyo, which might explain why it has so little in common with the conventional “white cube” art space. With decor that includes white-latticed bay windows, the space is somehow redolent of ordinary people’s everyday lives. When I imagine placing these scandalous, utterly fragile charcoal books in such a setting, I can’t help wondering….

… One way or another, are our everyday lives on the verge of falling apart?

炭書の炭焼きはすべて、青森県深浦町、炭工房「勘」の技術に成るものです。
炭工房「勘」[URL]http://www7a.biglobe.ne.jp/~sumikankuro/
蓜島庸二(はいじまようじ)最近20年の略歴

【個展】
1984年
  • 東京外国人記者クラブ「ドローイング」/東京・有楽町
  • 「光とアクア/”クローンド・ヴィーナス”』ストライプハウス美術館/東京・六本木
1986年
  • かわさきIBM市民ギャラリー/神奈川
  • メルボルンーグリフォンギャラリー/オーストラリア
1988年
  • 『母型展開』モリスギャラリー/東京
1989年
  • 『母型展開ーthe Moon』モリスギャラリー/東京
1990年
  • 『母型展開』INAXギャラリー2/東京
  • 『母型展開』INAXギャラリー/大阪
1991年
  • 『母型展開ー水の翼』麻布美術工芸館/東京・六本木
1997年
  • ギャラリーアメリア/東京・青山
2003年
  • 『”クローンド・ヴィーナス”の20年展』亀甲館スタジオ/千葉・大原
2004年
  • 配島庸二=1月の”クローンド・ヴィーナス”』INAXギャラリー2/東京
2008年
  • 『新註結縄文炭書』馬喰町ART+EAT/東京
  • 『グーテンベルクの塩竈焼き』ストライプハウス・ギャラリー/東京・六本木


【グループ展】
1987年
  • 日仏会館シルクスクリーン展/東京
1988年
  • 「紙による現代美術展」ニッコリギャラリー/イタリア
1990年
  • 「INO紙のことば」展/高知県伊野町紙の博物館
  • 「第一回国際現代造形コンクール展」大阪トリエンナーレ1990/大阪
  • パピルスサイエンス展/INAXギャラリー名古屋/愛知
1991年
  • 「線の表現ー手と目のゆくえ」埼玉県立美術館/埼玉
  • 「インターアート展」モスクワ
1993年
  • 「第一回軽井沢ドローイング・ビエンナーレ」脇田和美術館/長野
  • 「素材の予感展」マスダスタジオ/東京・新宿
1994年
  • 「半島の現代美術展ー海溝からのメッセージ」鴨川市民ギャラリー/千葉
  • 「チバ・アートナウ’94」佐倉市立美術館/千葉
  • 「国際丹南アートフェスティバル’94」武生市中央公民館/福井
1996年
  • 「氷点下のポリフォニー」ギャラリー・ラ・フェニーチェ/大阪
  • 「さまざまな眼ー配島庸二、山本裕子二人展」かわさきIBM市民文化ギャラリー/神奈川
2004年
  • 「こどもワークショップ展」練馬区立美術館/東京
2005年
  • 国際アートセンター青森 アーティスト.イン・レジデンス・プログラム2005/春 「手と眼と耳の先へ」展/青森


【その他】
1960年〜99年
  • 雑誌「いけ花龍生」編集
1973年
  • 写真による評論集「町まちの文字」芳賀芸術叢書
1984年
  • 写真による評論集「祈りの文字」芳賀芸術叢書
  • 雑誌「カリグラフイ」出版
1993年
  • 『新・美に生きる』東京12チャンネルYV放映
1994年
  • INAXギャラリー企画「現代・見立て百景」に出品、並びにテキスト執筆
1999年
  • INAXギャラリー企画「道具の心理学」に出品、並びにテキスト執筆
2007年
  • 季刊[アルス]創刊号でアーティストの料理術「アリストテレスの焼き鳥」、第2号で同じく「グーテンベルクの塩竈焼き」を制作並びにテキスト執筆

【今後の予定】
  • 2008年11月 練馬水土木G.にて個展、グーテンベルグ炭書[Fragile]
  • 2009年2月 日本橋砂翁にて配島庸二/和田祐子二人展
  • 2009年5月 愛知県常滑市INAXライブミュージアムにて個展、グーテンベルグ炭書「海を孕む」
  • 2009年5月 六本木ストライプハウスG.にて個展


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