蓜島庸二個展 [Fragile] 11月10日より

「亀甲館だより」などカフェ・ヌースでもおなじみの現代美術家・蓜島庸二さんの個展が開かれます。タイトルは[Fragile]。「炭書」というコンセプトがさらに先鋭化され、文明の”危うさ”が日常空間に忍び込む…!? 従来の作品や展示という概念を覆す、この高貴でスキャンダラスな「事件」の現場に立ち会えることの”幸運”を分かち合いたいと思います。
 下記は蓜島さんからご案内いただいた個展の概要です。英文と略歴を含めた詳細は「亀甲館だより」をご覧ください。
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蓜島庸二個展 Yoji Haijima Exhibition
グーテンベルク炭書 Gutenberg Charcoal Books
[Fragile]ーーフラジャイルな炭書/フラジャイルな日常ーーー
2008年11月10日(月)~22日(土) 12時~6時p.m.(最終日4時p.m.)
会場:ギャラリー 水・土・木
オープニングパーティ:11月10日(月)4時p.m.より
ギャラリートーク:11月16日(日)2時p.m.より
081021.jpg 本を炭に焼くというこのスキャンダラスなプロジェクトは、名付けて『グーテンベルク炭書』。今回はその4回目の発表になるが、それにしてもこの炭書は、もともとが一枚の紙だから、そのまま炭に焼いてもなかなか木炭そのもののような堅固な形を得るのが困難で、しかし試行錯誤の末、今ではかなり安定した形を得られるようになった。
 とはいえ、それはブロンズ彫刻のような強さが得られるというわけではなく”本の姿焼き” といった程度のものだから、ちょっとした衝撃にもぽろぽろと崩れていく。そのフラジャイルなさまは、今や私には、このグーテンベルク文明そのものの姿に思えて・・・、
 そういう思いの中で開かれる今回の個展。
 この水・土・木(みず・と・き)ギャラリーは、東京西北部に古くから開けた有数な住宅街のまんなかにあって、そのせいか世に言う美術空間のホワイトキューブとはほど遠く、白い格子の出窓なぞしつらえてあって、どこか小市民的日常感覚の漂う空間だ。そういう中にこのスキャンダラスな、いかにもフラジャイルな炭書を持ち込むことを想像したとき、
  いま、わたしたちの日常が、さまざまな日常が壊れようとしている? といった不安が・・・。
(炭書の炭焼きはすべて、青森県深浦町、炭工房「勘」の技術に成るものです)
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蓜島庸二略歴
1931年:東京に生まれる。1950年始め頃より作家活動を開始。美術文化協会、新象作家協会、読売アンデパンダン展などを経て現在はフリーランスに。以後、幾つかの個展、幾つかのグループ展、コンクール、美術展などで発表。
2005年:国際芸術センター青森における、春のアーチストインレジデンスに参加。書籍を炭に焼くプロジェクトを「グーテンベルグ炭書」と名付けて開始、現在に至る。
〈本展以外の今後の予定〉2009年2月:日本橋砂翁に於ける蓜島庸二/和田祐子二人展を、同じく2009年5月:愛知県常滑市INAXライブミュージアムに於いて個展グーテンベルグ炭書「海を孕む」を、2009年5月:六本木ストライプハウスG.での個展を予定している。


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コメント

“蓜島庸二個展 [Fragile] 11月10日より” への2件のフィードバック

  1. naohnaohのアバター
    naohnaoh

    11月10日のオープニングに是非顔を出させて頂きます。
    炭書がどんどん深化しているようですね。

  2. 石井のアバター
    石井

    私も出席させていただく予定です。
    お会いできること、楽しみにしています。
    炭書の“新世代”が誕生しそうですよ。